大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和26(れ)1980 判決

主 文

原判決を破棄する。

被告人を罰金弐千円に処する。

右罰金を完納することができないときは、金五百円を一日に換算した期

間、被告人を労役場に留置する。

本裁判確定の日から壱年間右罰金刑の執行を猶予する。

本件中物価統制令違反の罪につき被告人を免訴する。

理 由

弁護人樋渡道一の上告趣意は末尾添付の別紙記載のとおりである。

同上告趣意第一点乃至第三点について

右各論旨はいずれも本件犯罪事実中贈賄の部分に関するものであるが、第一点に

おいては憲法違反を主張するけれどもその実質は結局事実誤認の主張に外ならない

ものであり、第二点及び第三点の論旨もまた同趣旨を出ないものであつて、いずれ

も刑訴施行法第三条の二により本件に適用される刑訴第四〇五条の上告理由に当ら

ない。

爾余の上告趣意はいずれも本件犯罪事実中林檎にかかる物価統制令第三三条の罪

に関するものであるが、職権を以て調査するに、同罪については昭和二七年政令第

一一七号第一条第八七号により大赦があつたのであるから、この罪に関する上告趣

意について判断するまでもなく本件上告はこの点において結局理由あるに帰し、刑

訴施行法第二条、第三条の二、刑訴第四一一条第五号、旧刑訴第四四七条、第四四

八条、第四五五条、第三六三条第三号により原判決を破棄し、右物価統制令違反の

点につき被告人に対し免訴の言渡をなすべきものである。而して原判決は右物価統

制令違反の罪と経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律違反の罪とを併合罪として処断し

たものであるから、大赦を受けない後者の罪(この罪に関する上告趣意は理由がな

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いこと前示のとおりである)について刑を按ずるに、原判決の判定した判示第一の

日本通運株式会社職員に対する贈賄の所為は経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律第五

条第一項、昭和二四年法律第二四二号附則第三項、刑法第六〇条に該当するところ、

犯行後罰金等臨時措置法第二条第三条により罰金額に変更があつたので刑法第六条

第一〇条により軽い変更前の法条を適用し、所定刑中罰金刑を選択しその罰金額の

範囲内において被告人を罰金貳千円に処し、右罰金を完納することができないとき

は同法第一八条により金五百円を一日に換算した期間被告人を勞役場に留置すべき

ものとし、なお情状刑の執行を猶予するを相当と認めるから、同法第二五条により

本裁判確定の日から壹年間右罰金刑の執行を猶予すべきものとする。

よつて裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

検察官吉河光貞関与

昭和二七年一〇月一〇日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

裁判官 栗山茂は出張につき署名押印することができない。

裁判長裁判官 霜 山 精 一

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